シャープの中の人に聞いてきた!AQUOSスマホ2014年夏モデル ~EDGEST・デザイン編~


ドコモ、au、ソフトバンクと各社から2014年夏モデルが発表され、既に発売中のモデルもある今日この頃。機種変を検討されている方もいらっしゃると思います。

「やっぱりXperiaやGALAXYが大きな存在感を発揮しているな」というのが正直なところですが、ラインアップを見ると一際目立つモデルが存在します。それがシャープのAQUOSシリーズです。狭額縁デザインが非常に特徴的でバッチリ目立っており、かなり気になるモデルなのですが、今回はITmediaさんのブロガーイベントにご招待いただき、シャープの担当者の方に新しいAQUOSについて聞くことができました。

端末をお借りしたわけではないので詳細なフィールドテストはできなかったのですが、AQUOSの売りやこだわりポイントについてお伝えしようと思います。


AQUOS PHONEからAQUOSに名称変更した理由は?

"AQUOS PHONE"のプリントが入った開発初期段階の「AQUOS ZETA SH-04F」

シャープはスマートフォンのブランドネームを4月から"AQUOS"に統一しています。これはユーザーがゲームや映像など、スマホで利用する機能が「電話」という範疇を超えたものになっていることに対応するためです。

テレビのAQUOSも単純に放送を受信するだけではなく、ネット動画を見たり、スマートフォンと連携したりといった「テレビ」という枠を超えた商品になってきていることを踏まえ、「AQUOS」というブランドを統合し、わかりやすく訴求していきたいとのこと。

スペックの数字よりも何ができるかがわかりやすいパンフレット

それに関連してプロモーションも方向転換。今までは端末のスペックを訴求ポイントにしていたのに対し、今後はメッセージ性・共感を重視したものにするんだとか。日本のメーカーはスペックばかり重視する傾向が指摘されていましたが、「どの利用シーンで何ができるか」を訴求・宣伝することで成功したアップルという前例があるので、この流れは大賛成です。

シャープのスマートフォンでは、今まであまりなかったタレントを起用したプロモーションも。

今見えてるものは、すべてじゃない。 | HKT48 | スマートフォン AQUOS





インパクトの大きかった狭額縁「EDGEST」の考え方

「全身大画面」でおなじみの通り、シャープは去年の後半あたりから"EDGEST"という狭額縁をコンセプトにしたスマートフォンを投入しています。見た目のインパクトもあり、反響も大きかったように思います。

そもそもシャープが"EDGEST"を推し進める理由としては、プロモーションの新しい訴求ポイントでも挙げられた「共感」というワードがヒントになっています。

ヒヨコの写真が送られてきたら、思わず優しく包むように握ってしまう感覚、が目標

例えば、流れ星の写真を相手に送ったとします。受け取った側が今までの縁の太いスマホだったら単に「流れ星ね~」という感想を持つと思いますが、送った側が伝えたいのは「感動」であり、写真そのものではないはずです。

もしシャープの"EDGEST"であれば、縁の無い没入感のある写真を見られることで受け手は撮影した人の気持ちにより近づけるのではないか、という考え方が目標でありコンセプトというワケです。

同じ画面サイズの他社製スマートフォンよりも比較的指が伸ばしやすい

画面サイズが大きくなるにつれて本体サイズも大きくなっていく上で、「大画面がいいけど持ちにくいのはちょっと……」という声に応え、フットプリント(占有領域)にも徹底的にこだわっています。

他社製品も狭額縁がトレンドになっていますが、"EDGEST"は上部も狭額縁になっているのがポイント。基板設計も苦労したんだとか。おかげで画面占有率81%となっています。

そして狭額縁で気になるのが、上の写真のように指を伸ばしたときに手のひらが当たって誤タッチが頻発するのでは、という懸念。この点は開発陣も気を使っていて、手のひらが当たった時にそちらを無視するように工夫しているそうです。自分が一通り操作した時も特に誤タッチ判定されることなく気になりませんでした。


デザイン「AQUOS ZETA SH-04F」

左からドコモ「AQUOS ZETA SH-04F」ソフトバンク「AQUOS Xx 304SH」、au「AQUOS SERIE SHL25」

続いてキャリアごとに異なるデザインを持つ、それぞれの端末を見ていきましょう。


デザイン「AQUOS ZETA SH-04F」


SH-04Fは他の2機種と違い、画面サイズや音量キー、全体デザインが唯一違うモデルになっています。「ヘキサグリップシェイプ」と呼ばれる側面に角度をつけた形状は、大画面化が進むスマートフォンで持ちやすさにこだわった点をデザインで表現しています。今後のドコモ向け端末はAQUOS PADも含めこのデザインを推していくとのこと。


個人的に今までのシャープ端末のラウンドボディはボテっとした印象があり、好みではなかったのですが、SH-04Fのフラットな形状はクールでかなり好きです。フラットにすると持ちやすさがどうしても損なわれる場合が多いのですが、ヘキサグリップシェイプのおかげか自然に手になじみます。

デザインと持ちやすさをうまくまとめてきたなという印象。個人的に「日本のメーカーのスマホは背面がカッコ悪い」という先入観がいい意味で裏切られた結果となりました。


SH-04Fを手に持つと「あ、ドコモのシャープ端末だ」とわかる不思議な感覚を覚えます。質感が今までのものと近いのでしょうか?


デザイン「AQUOS Xx 304SH」


続いてソフトバンク向けの「AQUOS Xx 304SH」は金属筐体を採用しているところがポイント。EDGESTの次のステップとして、所有欲を満たす"本物感"を目指したとのことです。これには塗装などが剥げたりすることなく長く使えるという意味合いも含まれています。


僕は金属筐体スキーなので、正直304SHが一番グッと来ました。手に触れる部分の質感って超重要で、金属筐体の端末を一度使ってしまうとプラスチッキーな端末では満足できなくなってしまうと思うのです。


前面のデザインもスッキリしていて個人的に一番好みでした。


デザイン「AQUOS SERIE SHL25」


au向けの「AQUOS SERIE SHL25」はフォルムに様々な要素をあえて入れず、よりシンプルなデザインを追求しています。

他のモデルと違い、SHL25は前面まで本体カラーと同色になっていますが、狭額縁との両立が非常に難しかったとのこと。シンプルデザインとは言いつつも力を抜いてるわけではないというわけです。




派手な部分はありませんが、落ち着いた感じで小奇麗にまとまっている印象です。いつもなら正直「平凡だな~」で終わるところですが、EDGESTのおかげでシンプルデザインでもかなり先進性が感じられます。狭額縁のインパクト恐るべし……。


キャリアごとに細部が違うのはどうして?


ソフトバンク向け「AQUOS Xx 304SH」と、au向け「AQUOS SERIE SHL25」は前面にタッチセンサー式音量キーが配置されているのに対し、ドコモ向け「AQUOS ZETA SH-04F」では従来通り側面に音量キーが配置されています。

これはキャリアの意向に合わせているそうで「前面の音量キーは使いにくい」「いやいや、ボタンの音量キーは古臭い」などといった議論をして、その上での結論が各キャリアごとの端末に現れるそうです。


ちなみにドコモ向け「AQUOS ZETA SH-04F」のカラーバリエーションで派手なオレンジが採用された理由は「ユーザーが手にとった時に何か引っかかるものを感じてもらいたかったから」とのことです。つまり「なんでオレンジなんだ…?」という疑問を持った時点でシャープの思う壺というわけ。

ソフトバンク向け「AQUOS Xx 304SH」では、金属筐体が映えるゴールドも採用されています。


~IGZO・PureLED編~につづく

シャープの中の人に聞いてきた!AQUOSスマホ2014年夏モデル ~IGZO・PureLED・カメラ編~ | DIGITAL GRAPHER

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