所有する喜びを感じる――日本未発売、円形で限りなく普通の腕時計に近いAndroid Wear「Moto 360」購入レビュー


一般的な腕時計と同じ”丸い文字盤”を持つ、話題のAndroid Wear「moto 360」を購入しました。さまざまなAndroid Wearが登場していますが、moto 360が「これぞ本命!」と言われるのには理由があります。


日本未発売だけど、どうやって買ったの?


海外のSIMフリー端末を扱う「EXPANSYS」というショップで、買う買わない問わずに申し込める事前予約をしていたのですが、9月16日に最終的な購入確認のメールが来ました。そこですぐさま購入すると返信しました。次の日の17日には受注メールを受け取り、19日に出荷、22日の朝に自宅に到着していました。


価格はこんな感じ。
36,000円(本体)+1,200円(送料)+2,316円(後払いの消費税)=39,516円

現地では27,250円くらいなので、輸入代行を探す手間などを考えたら十分納得できる価格です。そして今回、輸入してまで購入した理由として日本発売の見込みがほとんど無いという点があります。

671 名無しさん@3周年 2014/09/17 (水) 17:59:01.89 ID:eNJk55d5単刀直入にモトローラ本社に「なぜ日本でmoto360を販売しないのか。納得できる詳細な説明を要求する」と質問したら、意外にも回答が返ってきた。内容をかいつまんで掲載する。
・NECさんが円形液晶の基本特許を日本・中国・米国の3カ国で取得した・その特許の番号は5278729・日本・中国でmoto360を販売すると特許に抵触する・ただし米国は権利範囲が狭く書かれているため抵触しない・将来NECさんが特許を無償で使わせてくれれば日本で販売できるかもしれない

そんな感じらしいです。発表当初から秀逸なデザインで非常に期待されていたモデルだけにとても残念。というわけで、それでも購入検討される方はEXPANSYSから購入できます。

エクスパンシス(moto 360で検索すると出てきます)

入手困難ですが逆に言えば、人と被らないAndroid Wearを使えるチャンス……色々な意味で自己責任ですが……。

ちなみに僕、Android Wearは2個めです。

腕時計するグーグル。Android Wear「Samsung Gear Live」購入レビュー | DIGITAL GRAPHER




開封



さて、電波暗室に移動しました。
こちらがmoto360のパッケージ。moto 360が円形であることを嬉々とアピールするかのような、丸い筒状のボックスになっています。捨てずに取っておきたくなるようなオシャレさです。


スッと蓋を上に取り外すとmoto 360本体が現れます。画面が傷つかないように蓋側にはクッションが貼ってあり、本物の腕時計の化粧箱のようなこだわりを感じます。


moto 360本体の下には付属品が入っています。550mA出力のmicroUSB・ACアダプタと充電ドックです。


moto 360本体


Apple Watchすら土下座しそうなほどのカッコイイよさ。所有感を満たしてくれるガジェット……うっとりします。

今回購入したのは「Dark Stainless Steel Case (with Black Leather Band)」というモデル。文字盤からバンドまでブラックです。唯一、側面にあるボタン部分がゴールドになっており、デザイン上のアクセントになっています。金属筐体なので質感が高く、微塵も安っぽさを感じさせない作りで、とても気に入っています。ボディが少し厚いように見えますが、実物に触れた限り、そこまで気になりませんでした。

EXPANSYSでは、今回私が購入したモデルと、Light Stainless Steel Case (with Grey Leather Band)というシルバーのモデルが注文可能です。




レザーバンドは一見すると安っぽいので、「所詮おまけかな」と思ったのですが、実際に触ってみると非常に感触が良く、心地いい柔らかさです。


実はこのレザーバンド、世界最高とも称されるアメリカの「ホーウィン」という有名革ブランド製なのです。届いたらすぐに金属製バンドに変えようと思っていたのですが、良い革の香りもすることですし、もうちょっと使い込んでみたいと思います。

肌に触れる革バンドは柔らかく、本体の重さは約49gということで、装着感が非常に素晴らしい。


裏面はチタンブラックっぽい色で、光を当てると文字がレインボーに輝きます。緑色に光る中心部は心拍センサーで、あまり見えない場所ですが光り方がとてもカッコイイです。


ディスプレイ


有機ELと勘違いされがちなmoto 360ですが、実際は1.56インチ 320×290ピクセルのIPS液晶ディスプレイです。どの角度から見ても綺麗な広い視野角を持ち、黒はちゃんと黒く表示されるのでとても美しいです。ただ、解像度が低めなのか、じっくりディスプレイを見つめると、好きになっちゃ……じゃなくて、ドットが確認できます。といっても普段付けている時にはまったく気にならないので問題ナシです。ちなみに表面のガラスはコーニング製ゴリラガラス3なので傷にも強いとな。



moto 360はディスプレイ下部に照度センサーがあるため、表示は完全な円ではありません。どんなもんかなーと思っていましたが、実際はほとんど気になりませんでした。

完全な円を売りとする「LG G Watch R」は、代わりにベゼルが太くなる犠牲を払っています。ぶっちゃけカッコ悪いので、moto 360の選択が正しいと思います。


また、ディスプレイが円形のため表示が見切れてしまう場面がたまにありますが、実用上不便に思ったことはなく、逆に「丸いディスプレイ」の端末を使っているという先進性にワクワクしてしまう自分がいます。Android Wearは正式に円形ディスプレイをサポートしているので、今後も困ることはないと思います。

Android Wearでできることは、他の端末と大差ないので別記事を参照していただければ。



使い勝手に影響する"アンビエントモード"


僕が前に使っていた「Samsung Gear Live」や「LG G Watch」は、簡易表示モードで常に時計を表示する「アンビエントモード(常に画面を表示)」がデフォルトだったのですが、moto 360は時計を見るモーションをしたときだけ画面が点灯するのがデフォルトになっています。常に時計を表示する「アンビエントモード」もあるにはあるのですが、「電池消費が激しくなるよ」と警告が出ます。

アンビエントモードをオンにすると、moto 360の場合は他の2機種と少し違って、文字盤が装着者から完全に見えない角度では完全消灯、少しでも見える角度では簡易点灯、時計を見るモーションで全点灯という動作になります。公式の解説とは違うかもしれませんが、実際に使ってみてこういうものだと認識しています。実際の使い勝手はこんな感じ。

この「文字盤が装着者から完全に見えない角度では消灯、少しでも見える角度では簡易表示」という点が非常に便利で、大げさな時計を見るモーションをしなくてもチラッと文字盤を見る小さい動きをすれば時刻がわかります。まさに普通の腕時計と同じ使い勝手なのです。

「通常モード」では、時計を見るモーション以外ではすべて消灯していると考えていただければOKです。

どう考えてもアンビエントモードをオンにしたほうが使い勝手が良いのですが、やはりバッテリー消費が気になるところ。他の方のレビューを読んでみると、15時間ほどしか持たないそうです。他の機種は常時点灯でも1日以上バッテリーが持ったのでここはかなり残念。ちなみにアンビエントモードオフでは2日以上持つとのこと。

実際、アビエントモードは実生活でオフでも不満なく使えるのか、そしてバッテリーなどのもちに関してはもう少し使い込んでから記事にしたいと思います。

~追記~
アップデートでバッテリーの持ちが良くなったと報告が上がっています。


IP67相当の防水防塵


水深1mに30分浸けても問題なく、ホコリっぽいところでも大丈夫です。推奨はされないと思いますが、装着したままプールで泳げます。


充電はワイヤレスで

ベッドサイドに置けばちょっとした置き時計のようです

moto 360は「qi」規格によるワイヤレスで充電します。付属のqi対応充電器のくぼみ部分にmoto 360を置けばすぐに充電が開始されます。ラクで便利です。

充電中は写真のような時刻表示スタイルに変化します。寝る時に、部屋の電気を消すとうっすら浮かぶmoto 360の時計……綺麗でうっとりします。スマートウォッチで懸念される毎日充電が必要な問題は、こういった忘れずに充電したくなるような価値を持たせることで誤魔化すことができるかもしれませんね。

1時間ほどで充電完了。海外レビューによると他社製qi充電器も使用可のようですが未確認です。


ウォッチフェイス(文字盤)の着せ替えが楽しすぎる


moto 360ほどのカッコイイ時計だと、ウォッチフェイスを変更するのが非常に楽しいです。Google Playで「moto 360」と検索すると色々出てくるので、アプリをインストールするのと同じ要領でどんどん追加することができます。

Android Wear(Moto 360)に「Facer」で野良ウォッチフェイスを導入する | DIGITAL GRAPHER






ご覧のとおり、デザインによって見た目の印象がまったく変わってきます。この着せ替えという点では、従来のアナログ時計を完全に凌駕しており、デジタルウォッチの本領発揮です。特にmoto 360の円形文字盤では従来の四角いAndroid Wearでは感じなかった本物感があります。


まとめ


一度触ってしまうと、他のAndroid Wearやデジタルウォッチがダサく感じるほどmoto 360は悪魔的な製品です。やっぱり時計は円形に限るよなぁと実感しました。


現時点で、Android Wearを購入する人はかなりの物好きだと思われます。価格は高いですが、どうせ買うなら絶対に「moto 360」をオススメします。やっぱりウェアラブル端末は何より「見た目」が大事!

エクスパンシスmoto 360で検索すると出てきます)

どちらを選ぶ?――Android Wear「moto 360」カラーバリエーションによる印象の違い | DIGITAL GRAPHER

コメント