使い勝手はどう?Android Wear「Samsung Gear Live」ソフトウェアレビュー


前回はAndroid Wear端末「Samsung Gear Live」の外観を中心にご紹介しました。

腕時計するグーグル。Android Wear「Samsung Gear Live」購入レビュー | DIGITAL GRAPHER


今回はAndroid Wearの中身をご紹介します。


スペック・本体仕様


Android Wearは「Android 4.4W」という派生OSを採用しています。タッチ操作や音声操作を主な操作体系とし、スマートフォンのAndroidとは印象がまったく異なります。


タッチ感度は良好で、操作感も悪くありません。


セットアップ


Gear Liveを初めて起動すると、まずは言語選択から。続いてペアリングするAndroidスマートフォンへAndroid Wearのコンパニオンアプリをインストールするように指示されるので、さっそくNexus 5へインストールしていきます。Android WearはAndroid4.3以上の端末が必要です。




ペアリングが完了すると、メインの時計画面が表示されます。これで基本的なセットアップは完了です。



待機中も常に時計が表示されます

今までのスマートウォッチは、ボタンを押したり画面をタップすることで画面を点灯させて時計を表示するものがほとんどでした。この場合、腕時計をチラッと見た時に時刻がわからない不便さがあります。結局両手を使わないとダメという。

しかし、Android Wearはデジタルウォッチでありながら、常に画面に時計が表示されます。これが今までのスマートウォッチと大きく異なる点です。


普段はこのように白黒の簡易表示となります。


画面をタップしたり、腕を持ち上げると通常の表示に変化します。この腕を持ち上げたと感知するセンサーが非常に優秀なのです。


この機能のおかげで、普通の腕時計のようにパッと腕を見れば時刻を確認することができるという、腕時計として当たり前の機能が当たり前にできるようになりました。そして便利と感じた点がもう一つ。それは、画面を手のひらで覆うとどの画面にいても通常の時計画面に戻れるところ。



通知を確認したら手を覆うだけでさっと画面を簡易画面にできます。癖になる便利さでとってもスマートです。

これらの新機能のおかげでスマートウォッチにありがちな時計としての中途半端感・使いにくさがだいぶ薄れています。


時計のデザイン







Android Wearは表示されている時計を長押ししたり、設定画面からデザインを変更することができます。こちらは「Samsung Gear Live」で選べる文字盤の一覧です。他社製品だと選べるデザインが違うはずです。


屋外の直射日光の下で画面見える?

明るさ(3)に設定

残念ながら直射日光下ではだいぶ画面が見えづらくなってしまいます。有機ELでも関係ありません。画面輝度を上げることで少し改善できますが、都度変更するのはめんどくさそうです。時計のデザインをアナログにすると、針が若干見えやすいのでオススメです。

明るさを最大の(5)にしたところ


明るさ(3)で白背景

後から気づいたのですが、白背景の時計を設定すると直射日光下でも明るさ3で見やすいです!お試しください。



Android Wearの基本操作


Android Wearでは接続しているAndroidスマホに通知された情報や、ユーザーが必要としている情報を予測したもの(Google Now)を時計の下部にカードとして表示します。時計が表示されている状態から下にスライドさせるとカードがずらずらと表示されます。


スケジュールの表示。


今話題の台風情報。しっかり背景が赤い。


Amazonで注文した荷物の追跡とか。


こちらはTwitterの通知。今のところ表示できる文字数が少ないのでどんな反応があったのかわかりづらいのが正直なところ。ここからカードを左にスワイプすることで次のアクションを起こすことができます。


どんなアプリでもスマホに通知された情報なら表示することが可能ですが、公式TwitterアプリのようにAndroid Wearに対応していないアプリの場合は、スマホでTwitterアプリを開く、という操作しかできません。

Android Wearに対応しているアプリであれば、カードを左にスワイプした時に様々なアクションを起こすことができます。もしTwitterアプリであれば、音声で返信する・RTする・お気に入りに登録するといった操作がAndroid Wear上でできるようになるわけです。


ちなみに、時計が表示された状態で上にスライドさせるとバイブのオンオフ・日付・バッテリー残量の確認が可能です。


Android Wearでできること


時計画面で「OK Google」と発音したり、時計をタップすると音声コマンドを受け付ける状態になります。ここで画面を下にスワイプ(または3秒待つ)と、音声ではなくタッチで操作することもできます。屋外で喋るのは恥ずかしいのでタッチ操作が主体になると思います。


Android Wear単体で使える機能がこちら。

・メモを入力
・通知を設定
・歩数計を表示
・心拍数を表示
・SMSを送信
・メールを送信
・予定リスト
・ナビを開始
・タイマー設定
・ストップウォッチ
・アラーム設定
・アラーム表示
・設定
・開始...

これらを音声で入力すれば操作できるのですが、正直使い勝手は今のところイマイチです。例えばスケジュール確認したい時、「今日の予定が見たい」と話しかけるとそのままワードがGoogle検索されてしまいます。


コマンド一覧にある通り、「予定リスト」というワードを問いかけるとスケジュールが表示できます。Siriのような自然な会話での操作はまだ不十分といったところ。


こちらは音声でのGmail送信。こちらはコマンド例のように自然な言葉でメールが送信できますが、日本人の名前は漢字で難しいのでなかなか送信がうまくいきません。名前が簡単な人にはスムーズにメールが送れて感動しました。


メモ機能。Google Keepに保存されます。


アラームが設定できます。これはスマホと連動しているわけではなくAndroid Wear単体でのアラームです。時計が直接振動します。スピーカーは無いので音は出ません。


リマインド機能。


歩数計と心拍数の計測もできます。心拍数はSamsung Gear Liveだけの機能です。

単体で出来ることはこの程度。Android Wearはアプリを追加することで機能を増やすことが出来ます。


アプリでこんなことができるよ

アプリを追加すると、コマンド一覧の一番下にある「開始...」という項目に追加されるようです。「○○を起動」と音声でも起動できます。Android Wearで操作して使えるアプリの他に、スマホ側で操作してAndroid Wearに情報を表示するだけなんてアプリもあります。以下に紹介するアプリの他にもまだまだいっぱい!


Bunting




現在、唯一のAndroid Wear専用Twitterクライアント。Android Wear端末から音声ツイート、タイムライン表示、プロフィール表示ができます。タイムラインでツイートへのリプライやRTができますが、自分へのリプライはまだ表示できないようです。音声ツイート専用としてぜひ使いたいアプリです。


Evernote for Android Wear


ToDoリストの表示、音声でノートを検索(日本語非対応?)、最近のノートや現在地に近い位置情報付きのノートが表示できます。カンニングダメゼッタイ。

musiXmatch



Playミュージックで再生中の楽曲を検索して、歌詞を曲に合わせてスクロールしながら表示するアプリです。スクロールする歌詞をAndroid Wearでも表示できます。

Flopsy Droid


ドロイド君を操作するチャリ走的なゲームです。今のところAndroid Wear唯一のゲームアプリだったりします。


バッテリーのもちはどう?

朝6時から100%で使い始め、ちょくちょく操作したりTwitterの通知があるという使い方で、21時間後の日付が変わって深夜3時の時点で残量が40%でした。思ったより残量がありましたが、次の日も一日使うことを考えると寝る前に充電器に繋ぐことが必要です。

また、朝8時から使い始めて、次の日の15時でバッテリー切れという日もありました。Android Wearはバッテリー容量が少ないので充電時間もそんなにかかりません。モバイルバッテリーで充電すれば、必ずしも寝る前に充電器に繋がなくてもいいかも。


まとめ・しばらく使って思ったこと


Android Wearはスマホのライトユーザーにぜひ使ってほしい製品です。ポケットにしまったスマホを取り出さずに通知を確認できて、すぐに対応が必要な情報なのか、後回しでいい情報なのかを判断することができます。無駄な行動を省きスマートに生活できます。一方で、四六時中スマホを触っているようなヘビーユーザーには必要ないかもしれません。

そして気になるのがローカライズの問題です。Android Wearは日本語音声コマンドの完成度がまだ不十分で、操作にストレスを感じます。この点を考慮すると、日本語でも自然な音声操作が可能な「Siri」が使えるであろうアップルのスマートウォッチが一歩リードするかもしれません。

逆にAndroid Wearの強みと言えばユーザーの個人情報を利用した"Google Now"が使えることでしょう。今やネットを使う上でGoogleのサービスにどっぷり浸かっている人は少なくありません。Googleはあなたのすべてを知っています。

Googleでお店を検索していると、Googleが「こいつ今からここ行くんじゃね?」と予測して行き方を勝手に教えてくれる。Surface Pro 3を取りに行くお店バレてる。

まだまだ発展途上ではありますが、AndroidのGoogle Nowが便利だと感じた人はAndroid Wearも便利に感じるはずです。

あとは対応アプリ次第ですかね。現状でもほぼすべてのアプリの通知が受け取れるので十分便利なのですが、もしLINEがAndroid Wearに正式対応して音声で返事ができるようになったらちょっぴり便利になります。個人的にはSwarm(Foursquare)のチェックインがAndroid Wearでできるようになったらとっても良いなぁ。

~追記~
チェックインできるアプリ出来てた!

【Android Wear】Swarm(Foursquare)へのチェックインを提案してくれる「beeWear」 | DIGITAL GRAPHER


(追記終わり)

かつてのソニーのスマートウォッチ「SmartWatch」が流行らなかった原因は二つあると考えています。一つ目は腕時計としての使い勝手の悪さ。二つ目は対応アプリの少なさです。Android Wearはこの二つの点を解消するポテンシャルを秘めていると思いますので今後に期待できるのです。

色々書きましたが、ガジェットオタク的には装着しているだけで楽しい気持ちになれるので良い製品だと思いました。ですが、最終的な結論はこちらです。よろしくお願いいたします。

この予想が大きく裏切られることに期待しています。

コメント